PULLTOP「この大空に、翼をひろげて」Trial-edition(体験版)レビュー (ブログ用)

発表直後からかなり気になっていたこの作品、「この大空に、翼をひろげて」の体験版が
今月の7日に公開されたのでゆっくりプレイしてみました。

今まで体験版のゲームレビューは書いて来なかったのですが
今回初めてチャレンジしてみました。


まずこの作品が気になった理由と作品を最初に見た時の第一印象として
眩しいくらいの青空を空高く飛んでいくグライダーの姿がすぐに想像できたことが大きいと思います。
昔、スーッと空滑るように空を飛ぶように加速し舞い上がる航空機になんとなく憧れていた時代があったのを思い出させます。
その時のイメージにかなり近かったのです。

そしてもちろん美少女ゲームということですから魅力的なヒロインが居ないといけません。
攻略対象のヒロインとしてはまず黒髪の綺麗な小鳥、車椅子に乗っています、
そして幼なじみで明るい性格のあげは、天才だけどどこか抜けている天音、
それに体験版では本格参戦はありませんでしたが双子の亜紗と依瑠の双子の姉妹です。
全部で5人です。

体験版をプレイする前は小鳥のタイプがよく把握できなかったのですが
プレイ開始してすぐに分かってきました。
最初こそクラスに馴染めていない子だったけど
本当は誰よりも無邪気で元気で車椅子に乗っていることなんて忘れさせるくらいにアクティブなヒロイン。
何かに驚いた時、ノリノリの時など子供っぽいながらも一番小鳥らしさが出るタイミングが可愛いです。

同じく元気なタイプなのですが幼なじみキャラのあげは。
誰よりも昔からの碧を知る幼なじみだけに
他のヒロインと比べて恋に関してはメリットのデメリットを持ち合わせています。
それだけに時々見せる女の子らしさがすごく印象的で5年前とはまた違う関係でより一層親密さが増していくのが楽しみです。



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△アップになった時や

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△この角度の時のあげはがすごく可愛いです。


天音ちゃんは天才肌で天然、
恋に関しては全く関心が無いように見えますが一応女の子です。
体験版ラストでは部を、そして学校を去ることになりましたが
またきっとすぐに戻ってくると思われる天音ちゃんの
体験版ではあまり見せることの無かった女の子らしさに期待です。

双子の亜紗と依瑠については
メッセージウィンドウに名前すら表示されない状態で
体験版ではその他のキャラ状態でヒロインとしてのポジションまで来ていませんでしたが
そのポテンシャルは見ただけで伝わってきます。
性格の全く違う2人、中がいいのがすぐに分かる2人。
無垢でまっすぐな亜紗と
興味なさそうな振りをしつつも姉を気遣い、そしてグライダーについても何か知っている雰囲気の依瑠。
私はどちらかと言えば亜紗派ですが双子ならではのイベントが楽しみ過ぎます。


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作品本編(体験版)の内容については一言でいうとワクワク感と爽快感が素晴らしいです。
皆で空を目指すその姿勢は楽しく、
そして何よりフライト時の、離陸から空へ舞い上がる全ての時間にドキドキ感とワクワク感が存在していて
手に汗握る離陸からの飛行中はかなり気持ちがいいです。

エルロンが敏感で機体の制御に手こずる場面など
飛行中に何かトラブルが起こるんじゃないかという不安と
さらに高い空を目指して上昇していく期待感がプレイしていてすごく楽しいです。


そして飛ぶために使うグライダー本体には3DCGが用いられているわけですが
それは一部一部で使われており効果的な使用法だと思います。
あまり3DCGを使う時間を長くしてしまうと違和感が勝ってしまう可能性があるので。


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またこの作品の性質上、グライダーに必要な専門用語や知識が必要になってくるわけですが
そこは作品中でかなり丁寧に説明されており
エルロンから揚力についての基礎知識までかなり広く押さえてあるのは好印象。
操縦時の機体の動きまで分かりやすく3DCGで説明があります。

これらの知識は当然ながらゲーム中は常に把握しておかなければいけないので
出来ればいつでも確認できる用語集のような機能が欲しかったところですが
どうやら存在しないようなので気になる人は必要に応じてメモを取るなどしておいた方がいいかもしれません。



次にシステム面については前までの作品と比べて
要求スペックの変更があることから分かるように大きくグラフィック、エフェクトも向上しています。

細かいところでは、場面転換された時に
メッセージウィンドウ右に常に表示されている「オート」「スキップ」「リピート」「コンフィグ」の4項目が
ただ表示されるだけではなく少しふわっと動いて表示されるところが気に入っています。

さらに今回はキーボード操作によるショートカットだけではなくマウスジェスチャー操作にも対応、
右クリック+上下左右に対応する動きは13種類からカスタマイズ可能です、
Qセーブなどはメッセージウィンドウにもボタンが表示されているものの
カーソルをそこまで持っていかなくても気軽に操作できるのはいいことです。
出来ればキーボードショートカットもカスタマイズが出来ればいいのですがそれは次回作以降に期待ということで。

あと個人的にこれはどのゲームでも必須だと思っているものとして

・ボイスカット(音声を停止するタイミングは次の音声再生)機能
・オートモード中のクリックまたはエンターでオート解除しない

この2つがしっかり実装されているのは高ポイントです、
これがあるのと無いのとではプレイ中の快適さが全く違うので。

他に面白いポイントとしては左にいるキャラの声はスピーカーの左から、
右のキャラは右から声が聞こえてくるというところでしょうか。
ヘッドホンでプレイしているとそれがハッキリ分かります、
これについては好き嫌いがあるかもしれませんがしっかり設定画面でON/OFFが選べるようになっています。

あと採用するメーカーも増えてきたヒロインによるシステムボイスですが
この「この大空に、翼をひろげて」にももちろん採用されており
メインヒロインだけではなくサブヒロインまで指定することができます。
男性キャラは無理ですが副会長の朱莉さんは指定可能。

その中でもやっぱりイチオシは亜紗です、
クイックセーブ時には「記録しておきました、またいつでも言って下さい」と
まるで頼んでセーブをしてもらっている感が強くセーブするたびに嬉しくなります。

ただこの機能に関しても製品版では変更になるのか分かりませんが
欲を言えば通常セーブ時などにもボイスが欲しいところ
せっかくのヒロインによるシステムボイスなのですから出来るだけ多くの場面で聴きたいんです。


ここまで主にポジティブな内容を多めに書いてきましたが少し気になるポイントも少しだけ。
まずシナリオについて5年ぶりに帰ってきたとはいえ転校生である碧に対するクラスメイトの反応が薄く
転校初日ならでは雰囲気が少なく少し寂しかったです。
それ以外にもストーリーは基本的にソアリング部とトビウオ荘をを中心に進行するため
学園内や教室でのイベントが少なく他の学園ものの作品には無い部分が多い半面、
他の作品では当たり前のように存在する学園の生徒らしい部分がかなり物足りなく感じたのは気になりました。

そして全体的に進行がサクサク進んでおりプレイしやすい反面、
本筋には関係無いような細かい日常のイベントがあまり無く少し勿体無く感じます。

体験版の範囲はまだまだ序盤だけだと思うので
そのあたり製品版でどれくらい変わってくるか注目しています。


体験版をプレイし終わって感じた部分はこんな感じでしょうか、
色々と書きましたがやっぱりこのテーマソング2曲をBGMに空へ飛び上がるシーンは爽快で
最近あまり見なかった気持ちよさなので今最も注目の作品の1つであることには変わりません。

体験版は容量が大きいですが、それだけに内容は充実で素晴らしかったです。

…ところで、ほたるは攻略はまだですか?



<作品・公式サイト>

『この大空に、翼をひろげて』たった一つの青春がここに―